コンクリートの土間に何故目地を入れる?

住宅地のカーポートの土間コンクリートやアプローチのコンクリート土間に目地が切ってあるのをよく見かけます。中には目地を大きくとりそこに砂利を入れたり、龍のひげなどを植えたりしてデザインに工夫をしています。普通は黒い樹脂のキャップのかかった伸縮目地材を入れるのが一般的ですが、では何故コンクリートの土間に目地を入れるのでしょうか?

 

コンクリートはセメントが水と反応して(水和反応)固まります。硬化に必要な水は、コンクリートを練る時に入れる量の半分くらいしか反応に使いません。残りの水が追い出されると、その分の容積が無くなり収縮します。その収縮(乾燥収縮)によりクラックが入ります。そのためにビニールシートで覆ったり、水をまいたり(散水養生)して急激に水が逃げないように、また水和反応が十分に進むように(強度の向上)養生をします。しかしこの水和反応は、空気中の水分や雨による水分などで止まる事はなく続きます。この硬化による収縮はコンクリートの宿命ともいえるので、予めその収縮による応力を逃がすために、目地を入れるのです。ですからコンクリート構造物には、必ずどこかに収縮による応力を逃がすための目地が入っています。

 

住宅周りのコンクリート土間に、この目地の意匠性を高めるために最近はカラフルな目地材も出ております。入れなければならない目地なら、きれいにかっこよく工夫して入れたいものです。あなたも挑戦してみてください。

目地を入れないコンクリート土間に入ったクラックです。

幅広のデザイン目地に砂利を入れた例。砂利や玉石の色を変えるとおもしろいです。

3㎜~5㎜巾のコンクリートカッターで入れたクラック誘発目地

エキスパンタイという伸縮目地を入れた例(一般的)


カーポートの土間にレンガで目地を取った例

おしゃれに人工芝を入れた例

 

最近発売になったカラー目地材です。(本体は瀝青系の材質)

この他にも、タイルやピンコロ石、インターロッキングブロックなどもあります。