「三和土」 これを何と読みますか?

  

「三和土」 これを何と読みますか?

 

たいていの人は「さんわど」と読んでしまいます。「みわど」なんて読む人もいます。

正解は「たたき」です。

 

なぜこんな読み方をするのでしょう? 

 

昔ながらの三和土(たたき)仕上の玄関の土間です。土の風合いが何とも言えません。

 

 

日本家屋の土間の仕上げは、セメントが普及するまでほとんどがこの三和土(たたき)でした。玄関の土間や建物の周りの犬走、商家などの通り土間などの仕上に使われました。

 

その土地で採れる真砂土・消石灰・苦汁(にがり)の三つを混ぜ合せ、12㎝程度に均しそれを叩いて8㎝程度に叩いて締め固めることから、三和土とかいてタタキと読むようになったといわれています。

 

 

庭の東屋の土間に施工された新しい三和土仕上です。「タタキバインド」

 

文字通り叩いて仕上げていた三和土ですが、夏は涼しく、冬は暖かい、土の風合いを活かした仕上がりが特徴で、現代でも商業施設や茶室、古民家などに採用されています。

 

しかし、材料の手配が難しいとか、経験のある職人さんがいないとか、手間がかかりすぎて高価なものになってしまうとか、採用に躊躇してしまう場合が多いようです。

 

また、強度があるとはいえ土ですので、雨に弱く使う場所が限られてしまいます。ですから現在では、セメントを配合し強度を持たせたり、無機系の固化材を使用したりして、叩かなくても強度や耐候性を向上させた仕上材があります。

有形文化財の古民家の土間に施工された現代風三和土「タタキバインド」